癒しの”きのこ狩り”

2007.10.13

「仕事上のストレスがピークに来た・」・・・と言えば
「死にたい、死にたい」と言いながら格闘している夫に
申し訳ないないのだが、なんせ最年長になってしまった
ので「辞めます」と言う日まで突っ張るしかない。

ネット上で見つけた山中湖のペンションに春さんと行くことに
なり、私の心はすでに心地よかった。

先に退職した春さんは「癒しオーラ」を
常に発していて、いつも私の他愛もない
愚痴にも黙って相槌を打ってくれる。
春さんに聴いてもらいたい話が山ほど
あった私は車であちこち動かずに
じっくり腰を据えて居たかったので
初めて高速バスを利用してみた。
これが山中湖まで直通の上、値段も
往復3,000円と安く、なかなかよかった。

朝8時40分に東京駅のバス乗り場で乗り込み11時過ぎには着いてしまった。(本当は新宿からが正解らしい)
 いつの時も私が何から何まで準備をする役回りから、旅から帰るとドット疲れてしまう。
当てもない旅とはこんなに気持ちの良いものだと知らなかった。
山中湖はかなり大きな湖で地図で見ると目指すペンション「モーツアルト」は遥か対岸らしい。
春さんは運動クラブで鍛えているそうだが、私の運動不足を補うのにちょうどよい。

途中色々な発見が・・・
30分くらい歩いたところで山梨県の名物料理「ほうとう」の「小作」発見!
先日社長ご夫婦と行ったお店の支店らしく、さっそく春さんを案内して中へ入ると、お昼前にもかかわらず私達が席に着いた頃には行列が出来ていた。
おいしく「ほうとう」を頂いて、また歩き出すと、道端に「くるみ」を見つけた二人は田舎者同士なので、見過ごすことが出来ずに袋一杯に拾った。
紅葉には10日ほど早かったようだ。
こまかい葉のもみじの大木は少し色付いたところで、からまつに絡みついた蔦や「七かまど」の実が赤く色付き美しかった。


ナナカマド

小作のカボチャボウトウ

裾野しか見えない富士

トリカブトがたくさん

ペンションモーツアルトに到着したのは3時前。
木立の中で目立たないがガレ調のガラスのランプが玄関に登る階段の脇で私達を迎えてくれた。

少し早かったようでピアノのある広間でしばしの休憩の間、一人の青年が熱心にピアノを弾いていた。
後でわかったのだが彼はその夜予定されていたコンサートのリハーサルをしていたのだった。
それは長い長いリハーサルでソファでうっとりと聞惚れている私達を気遣って「音は大丈夫ですか?」「ではこれから少し激しい曲を弾きます」と・・・
何だか今日は朝からずーーーっと付いている気がした。さすが春さんの「神通力」は衰えてはいないと思った。

春さんはペンションは初めてだそうで、私が「洋風の民宿よ!」と教えてあげたが、ホテルを想像していた春さんは少し驚いていたようだ。オーナーに案内されて混みあう前にお風呂に浸かり昼寝でもするつもりでいた。
お風呂は普通のお風呂で、町営の温泉に行くには車が必要だったかなと思ったりした。

PM3:00「Pモーツアルト」到着

ペンション「モーツアルト」HP

オーナーは第一印象は「無愛想な学者」だったが、このあとそれは変貌を遂げていくことに・・・
この日はあいにく雲が多くて星空は望めなかったが、その道に精通したオーナーの自前の望遠鏡や星の写真が館内のそこここに飾ってある。
数々の小説や書物に登場している「モーツアルト」はお客様もハイクラスのようだった。

私は前の晩ワクワクして3時過ぎまであれやこれやとしていて、しかも4時間も歩いたので疲労もピークだった。
オーナーがサービスしてくれた夕食後(写真は写し忘れてしまった)奥様の手作りデザートもとてもおいしかったのだが、ペンションにしては珍しく奥様は一度も顔を出さなかった。

PM8:40「井上孝史ピアノコンサート」 

私は音楽は嫌いではない。
今日は疲労困憊。彼の知り合いや、恩師が女子大生をたくさん連れてきて、クラシックのピアノコンサートは遅くまで続き、私は眼を瞑るとそのまま眠ってしまいそうだった(すみません)。

AM8:00朝食後は・・・
     いよいよ「きのこ狩り」

「朝食後は希望者には樹海にてきのこ狩りにお連れします」

車がない私達ともう一組はオーナーの車に乗ることになり、お世話になったわけで・・・
豹変?したのはそのハンドルを握ったその時からだった。
「元暴走族」とは本人の弁ではあるが、いえいえ未だに現役の暴走族です。かく言う助手席の私も
現役ばりばりの暴走族に違いないが、私もびっくりの暴走運転に両手両足を思わず突っ張っていた。
車中話された武勇伝は見かけから想像できず「無愛想な学者」が見事に崩れ去ってTVで見た「ユアサです」と言う人とダブって親しみがわいた。
きのこ狩りがあんなに楽しいとは想像していなかった。
車は富士山須走口五合目駐車場に止まった。
よく観光旅行に付き物の土産屋に連れてこられたのかな?と思ったがそうではなかった。
きのこの季節の為か、きのこの本を書いたおじさんがいて皆が採ってきたきのこを選別してくれる。

春さんは長野県人で私は新潟県人。山には親しんでいるが初めての「きのこ狩り」。
春さんはオーナーに付いて沢山のきのこを採っていた。選別の米山さんには「すごい100点!!」といわれていたが、私は写真を撮ったりしていたせいもあり、遅れ気味で前の人が毒キノコと諦めた物など拾って?「お酒飲む?」「ハイ」「じゃダメだ!」と毒キノコとなったものがいくつかあった。

樹海に入り夢中になると危険なことが沢山あるので声を掛け合うことを力説
するオーナーの西岡さん

こけが美しい

宇佐見英治氏 と 矢内原伊作 と ジャコメッティー

「富士山のきのこたち」を著した
米山千晴さんが選別してくれた

マムシグサの実